籾殻くん炭器を自作してからこれまで何度か焼いてきました。今のところ順調に回数を重ねてきています。
激安で仕上げたため耐久性を心配していましたが、案外大丈夫なようでまだまだ使っていけそうです。
そして燻炭を焼こうと思った当初から副産物である「酢液」をどうにか採りたいと考えていました。
・木酢液や竹酢液とは炭焼き時に出る煙を冷やして液化したもので、使用法や効果は諸説ありますが主に農業用途と厚生用途があります。
農業用途だと害虫害獣よけや土壌改良など。厚生用途だと入浴剤(肌疾患や冷え性)や殺菌消臭材として使われているそうです。
今回のこれはそのどちらでもない、『籾酢液』とでも呼べば良いでしょうか、
畑やらに使ってみたかったのでどうにか煙を集められないかとずっと考えていました。
が、なかなか難しいのです。
というのも、
このタイプの籾殻 燻炭器は、積み上げた籾殻の中心(山の頂上)から煙が上がるので、籾を積み上げれば積み上げるほど外周から中心が遠くなっていきます。
遠い山頂から上る煙を一体どう集めればいいやら。籾の山に触るわけにもいきません。
どうにもこうにも思い浮かばずで暫くはただ炭だけを産物として焼いていました。
しかし
ついに思いつきました。
このタイプの燻炭器で籾酢液を採る装置を。
そして実際に作ってみて、焼いてみて、集めてみて、
「籾酢液」を採る事に成功いたしました。
その作り方と使い方を紹介したいと思います。
まず前回の燻炭器がありますね。(作り方はこちら)
この燻炭器の上にハマる「籾酢液器」を作っていきます。
使う材料は、この燻炭器を作るときにも活躍したスクリュービス、そして自作ロケットストーブでおなじみのペール缶(代用できる適当な材料があればなんでも良い)、そして隙間を埋めるためのコーキングシリコン、以上です。
まずこちらが完成品を燻炭器に装着した様子です。
狙ったわけではないのですが出来上がってみるとカワイイ配色になりました。
まるで小鳥の餌場のようです。
では作り方です。
まずはペール缶等の鉄板で円柱を作ります。
この径は燻炭器の煙突外周を包むくらいです。
ここで注意したいのは後にビスで止めるための止め代をしっかり残す事です。
次にペール缶の底を切り抜きます。
これは籾酢液の受け皿部分です。
そしたら受け皿の中心に先ほどの円柱がハマるくらいの穴を切り抜きます。
切り抜いたら円柱を通します。
そして通した円柱の下に切れ込みを入れ、それを折り返して受け皿の受けを作ります。
ここで重要なのが、一度この二つセットになったものを燻炭器の煙突に仮にハメてみて燻炭器の煙突とのハマり具合を確かめておく事です。
ハマりが良ければ、スクリュービスで円柱を固定します。
この時一番下に留めたビスが煙突にかぶる深さを決めます。
どういう事かと言いますと、
燻炭器に装着した時にこの一番下のビスが燻炭器の煙突上部に当たり、この装置(酢液器)が下に滑り落ちないためのストッパーの役割を果たすのです。
そしたら今度はペール缶の蓋を切り抜いて笠を作ります。
丸く切り出し、中心から一本切れ目を入れ、それをコーンのように丸めます。
そしてスクリュービスで固定。
笠は必ず下の受け皿より小さい円にします。垂れた籾酢液ををキャッチするためです。
そして先ほどの円柱上部を加工して笠の受けを作ります。
円柱の上部を足4本残すようにして切り出します。
切ったら大きく外に曲げて笠の受けにします。
そしたらスクリュービスで笠と固定。
最後にコーキングで隙間を埋めます。
「(裏側の)受け皿受け」と「受け皿」の間もしっかりと埋めます。
これで完成。
あとは燃えだした燻炭器の上に被せるだけです。
そして結果。
むむむ、
期待してたよりも若干少ない収穫です。
しかし今のところ思いつく精一杯がこのシステム。
ありがたく籾酢液を集めていきます。
ここから瓶に入れてしばらくの間揺らさないように冷暗所に放置します。(どうやら3ヶ月ほどかかる)
するとそのうち三層に分離するそうなので、その真ん中の澄んだ部分だけをすくい出せば
それが「籾酢液」となるわけです。(予定です)
さてさて、あとは待つだけです。
また報告いたします。
それでは良い日々を
追記:
記事「沈殿 分離した籾酢液は注射器で採取。カビ対策で部屋中に」