リュウゼツランは面倒見のよい衣食住

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NSLC - Nova Scotia Liquor Corporation.htmlより
NSLC – Nova Scotia Liquor Corporation.htmlより

 

最近住み始めたここ、宮崎県の日南市から海沿いの道を北へ上ると所々道沿いに竜舌蘭が植わってるのが目につく。テキーラの原料だと知ってから目に留まるようになった、この巨大なアロエみたいな風貌の植物。たまに見かけてもまぁ、ただテキーラの原料だなぁ、と。

私と竜舌蘭の関係はそこ止まりでした。

3ヶ月ほど前、海沿いを通りながら嫁にあれはテキーラの原料なんだよと、やはり得意気に竜舌蘭の話していた私。それをふーんと聞く嫁と車を走らせてると、竹のような棒状のをニョキッと伸ばしてる竜舌蘭を目撃したんです。テキーラの一つ覚えで、何もその植物の事を知らなかった私はそこでようやく興味を持ちました。

竜舌蘭、調べるとテキーラ以外の側面、その素材、存在に興奮しました。めっちゃ使えます、この子。
ただの観葉植物ではないんです。

wikipediaのリュウゼツランを見たぐらいなんですが、
メキシコ、中南米が原産のそれは、数十年間葉っぱだけしか出さず、その間ひたすら、後の開花時に突き上げるマストと呼ばれる花茎(ニョキのやつ)に使うデンプン等々の栄養を茎に溜め込みます。
溜め込み続けます。

(マストが立った様子です)

VerdeOstuni.htmlより
VerdeOstuni.htmlより

 

日本だと長くて50年、原産地の熱帯気候でも早くて10年。
そしていよいよ生殖段階に入った個体は、長年溜め込んできたデンプンを糖化させて一気にマストに送り込みます。
マストはなんと1日10センチも伸びてしまう程のパワフルさです。
長年の溜め込みを一気に使い切って種を残して枯れる。
このような植物を一稔性植物というようです。
例えば竹がそうですよね。竹もとても個性的です。竹の花なんて普通は見た事ないですよね。私は見た事ありませんが、竹も竜舌蘭も、どちらも開花という言葉がこの上なく似合う開花っぷりです。
開花と死が同義語であるかのような生き様。まあそれは色んな植物に共通していえますが、開花=死のスイッチを入れるタイミングや条件がなんとも憶測を誘います。なぜなら、一年草やその他の多年生植物だと季節的な要因や年々の生産の末の老衰などがスイッチの条件だろうと想像はつきますが、竜舌蘭はいったい何をきっかけに逝くのだろうか。。と。

と、話が逸れてきました。
竜舌蘭のテキーラ以外のすばらしき側面の話です。

まあどうやら昔から若い花茎をサトウキビのように甘味料として使われてたそうですね。アガベシロップというのがそれで、そういえばそれらしい植物の絵のシロップを見た事があります。溜め込んだデンプンはさぞすごい糖分になるんでしょうね。
そしてその糖を利用した蒸留酒がテキーラなんですね。ちなみにテキーラ(メスカル)を醸造する時は10年ものぐらいの竜舌蘭の葉を落として、肥大した茎(デンプンの貯蔵場所)の部分を蒸気釜で蒸して糖化させ、取り出した汁を発酵させてるようです。

そして繊維です。サイザルアサという種は19世紀にアフリカを中心に繊維作物としてが広がり、今では世界の熱帯、亜熱帯で中心的な繊維作物として作られているそうです。

そしてなんと洗剤としても利用できるようで、葉を絞った液が泡立つらしいのです。最近まで全く知らなかった洗剤系植物、とても興味をそそられます。自然界は面白いです。まだソープナッツしか知りませんが、このタイプの泡立つ植物は私には斬新で感動しました。どんなオーガニック洗剤よりもオーガニックですよね。オーガニックの意味はよく分かりませんが。

そして容易に想像もつきやすいですが、建築材としてです。

原産地の先住民はほぼ全草可食のそれを食料として、またその素材でも作ってたらしいのです。
すごいですね、これ一本から着る服も、それを作る道具も作れちゃうんです。

つまり、
竜舌蘭の家に住んで、
竜舌蘭の服を着て、
竜舌蘭を食べれば、
あら不思議、衣食住が完成しちゃうんです。

竹やヤシや麻、古くからこうゆう衣食住を全部面倒見てくれる植物たちに支えられてるんですね私たち。
そして今回新たに知った竜舌蘭、

しかし、これはそこにとどまらないんですね。なんと。

wikipedia,リュウゼツランの用途の最後に

花茎は管楽器のディジュリドゥの材料として非常に高い評価を得ている。

とあるんですよ。なんと。
ディジュリドゥとはオーストラリアの先住民の楽器なんですが

ディジュリドゥ - Wikipediaより
ディジュリドゥ – Wikipediaより

こうゆう楽器です。

ディジュリドゥに興味のない人にはまったくスルーなんですが、私は一番ここに感激しました。まだあまり吹いた事はないし、循環呼吸も鼻が悪くて苦手です。
しかし、洗剤の話じゃないですが、天然物の好都合に感動するんです。例えばバナナやみかん等から受ける感動「はい、つつみをむいて食べてね」と言わんばかりの都合のいい天然物。
それと同じ悦びなんですね。
自然が準備してくれた天然物なんです。

そんな竜舌蘭のレアなマスト。
知った時からどんどん欲しくなり、道路沿いだし役所に聞いてみようかどうかいろいろ考えてましたが、なんと昨日、
わりとすんなり手に入れる事ができたんです!

もう遅いかなとは思いつつ、生えてた海沿いを探しに行ってみたんです。するともう盛りを過ぎた竜舌蘭のマストが折れてたり根こそぎ倒れてたり。
どうやら竜舌蘭のマストはめちゃめちゃ重くて、さらに開花に伴い土台の葉たちが枯れてしまうので、自重を支えきれなくなって最後はバタン、と言う具合になるようです。
折れてるように見えてたのはきっと危ないので誰かが切っといたのでしょうね。長いもので6m以上ありましたので。
様子を見に行く前はてっきり行政が片付けてしまうものだと思ったのですが、ブツ切りの放置という事でした。
ありがたい事なのですが、あのマストを貴重に思ってるのは私と嫁以外にはあまりいないようです。

と言う事で折れた子たちを拾い集めて連れて帰りました。
水分も残り気味でわりと重たかったです。まだ中身がある分、竹よりも重たいです。

時期的にもう遅いかと一度諦めていたのでとてもうれしいです。
さて、乾燥したらどうなるのでしょうか。

IMGP3193

 

楽しみでなりません。

 

では良い日々を。

 

 

 

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